弘前れんが倉庫美術館のれんが倉庫の外観
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弘前れんが倉庫美術館ガイド|アクセス・観覧料・奈良美智の作品/企画展

INFORMATION

営業日
火曜、年末年始を除く毎日開館(火曜が祝日の場合は翌日休館)
営業時間
3月〜11月 9:00〜17:00/12月〜2月 9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
支払い方法
カードOK

弘前の町なかに、青空の下で大きなれんが色の建物が現れます。かつてお酒やシードルを仕込んでいた煉瓦倉庫が、そのまま現代アートの美術館になった場所です。ひんやりとした煉瓦の壁と、迫力のある版画や絵が迎えてくれ、「建物ごと作品」と感じられます。この記事では、青森・弘前の弘前れんが倉庫美術館について、開催中の展覧会や見どころ、観覧料・アクセスまで紹介します。

弘前れんが倉庫美術館のれんが倉庫の外観

弘前れんが倉庫美術館とは

弘前れんが倉庫美術館は、青森県弘前市の中心部にある現代美術館です。100年ほど前に建てられた煉瓦倉庫を、建築家・田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が「記憶の継承」をコンセプトに改修し、2020年4月11日に開館しました。建物そのものが歴史的な遺産であり、そこで現代アートに出会えるのがこの美術館ならではの魅力です。

展示は、期間ごとに入れ替わる「企画展」と、美術館の所蔵作品を紹介する「コレクション展」の2本立てが基本です。れんが壁の質感や、天井の高い倉庫空間を生かした展示は、作品との距離をぐっと近く感じさせてくれます。

弘前れんが倉庫美術館の外壁に掲示された風間サチコ展のポスター

シードル工場から美術館へ(建物の歴史)

この煉瓦倉庫は、実業家・福島藤助によって建てられたもので、現在の美術館棟は1923(大正12)年、カフェ・ショップ棟の一部は1907年頃の建築とされています。1954年からは「朝日シードル株式会社弘前工場」として、りんごを使ったお酒“シードル”を製造する工場になりました。

改修では、この土地の記憶を随所に残しています。屋根に使われた淡い金色の「シードル・ゴールド」は、シードルの色から着想されたもの。かつてラベル貼りや箱詰めをしていた出荷場が、今はエントランスとして使われています。「新しく建て替える」のではなく「使い続ける」という姿勢が、建物のあちこちから伝わってきました。

見どころ①:風間サチコ展「方丈ルームの1000里眼」

訪問時の企画展は、風間サチコ展「方丈ルームの1000里眼」でした。会期は2026年6月5日(金)から11月15日(日)までです。

風間サチコさんは、木版画を中心に制作する作家です。黒と白のモノクロが力強く、細かく彫り込まれた画面の密度と迫力が印象的です。都市や船、戦闘機などが渦を巻くように描かれた大画面の版画は、近づくほど線の一本一本まで見えてきます。白鳥や武者などを大きく描いたカラーの絵画作品もあり、物語の一場面のような世界観が広がります。

会場には、来場者が実際に手を動かせる参加型のコーナーもあります。世の中に漂う“ぼんやりした階級”のような言葉を消しゴムハンコにした「ぼんやり階級ハンコ」は、自分に合う言葉を選んで押せる、遊び心のある展示です。

※展覧会は会期ごとに入れ替わります。最新の展覧会情報は公式サイトでご確認ください。

見どころ②:奈良美智の作品と「A to Z」の記憶

この美術館を語るうえで欠かせないのが、弘前ゆかりの作家・奈良美智さんです。奈良さんはこの煉瓦倉庫で過去に3度の展覧会を開いており、最後となったのが2006年の「A to Z」展でした。この展覧会には約900名にもおよぶボランティアが関わり、約7万人が訪れたと紹介されています。美術館と地域、そして作家の深いつながりが、この場所には流れています。

コレクション展では、奈良さんの作品をいくつも見られます。目を閉じた少女の絵や、板に描かれた文字の作品など、静かで優しいのにどこか芯の強さを感じる表情が印象的です。当時の「A to Z」展にまつわる資料も展示され、この場所で起きた出来事を追体験できます。

※館内の作品は撮影・掲載の可否が展示ごとに異なります。作品の写真は本記事では掲載していません。実際の作品は、ぜひ現地でご覧ください。

カフェとミュージアムショップ

美術館にはカフェとミュージアムショップが併設されています。ショップには奈良美智さんや展覧会にちなんだグッズが並び、缶バッジ、マスキングテープ、ポスター、ハンコなど、お土産に選びやすいアイテムがそろいます。

弘前れんが倉庫美術館のミュージアムショップに並ぶグッズ
ミュージアムショップの缶バッジやガラス瓶などのグッズ

併設のカフェ「BRICK」では、弘前らしいりんごを使ったメニューが楽しめます。「りんごとチーズケーキのパフェ」やアップルパイ、シードルの飲み比べなど、地元の素材を生かした一皿がそろっていました。展示を見たあとに、余韻にひたりながらひと休みするのにぴったりの場所です。

カフェBRICKのフード&ドリンクメニュー

※カフェ・ショップの営業時間は美術館本体と異なる場合があります。詳しくは公式サイトでご確認ください。

観覧料・開館時間

観覧料は展覧会ごとに設定されます。風間サチコ展「方丈ルームの1000里眼」(2026年6月5日〜11月15日)の観覧料は次のとおりです(すべて税込)。

  • 一般:1,600円
  • 大学生・専門学校生:1,000円
  • 高校生以下:無料
  • 弘前市民料金 … 一般:1,000円/大学生・専門学校生:500円

このほか、満65歳以上の弘前市民、弘前市内の留学生、ひろさき多子家族応援パスポート所持者、障がいのある方とその付添1名は無料で観覧できます。

弘前れんが倉庫美術館 カフェ・ショップの営業時間を記した看板

観覧料や開館情報は変更される場合があります。お出かけ前に公式サイトの来館案内で最新情報をご確認ください。

アクセス(弘前駅から)

住所は青森県弘前市吉野町2-1です。玄関口となるのはJR弘前駅で、青森駅方面から向かう場合も、いったん弘前駅を目指すのが分かりやすいルートです。弘前駅からは次の方法でアクセスできます。

  • 徒歩:約20分
  • タクシー:約7分
  • バス①:弘南バス「土手町循環バス」(弘前駅中央口 D100番のりば)で約9分、「中土手町」下車、徒歩約4分
  • バス②:弘南バス「小栗山・狼森線」(弘前駅中央口 3番のりば)で約5分、「住吉入口」下車、徒歩約2分

なお、美術館のすぐ近くには弘南鉄道大鰐線の中央弘前駅があります。ローカル線の趣ある駅で、駅から美術館へは「自由通路(PASSAGE TO THE MUSEUM)」を通って歩けます。ただし本数の多い路線ではないため、青森方面からのアクセスは弘前駅を起点に、徒歩かバスを使うのが現実的です。

弘南鉄道大鰐線 中央弘前駅と弘前れんが倉庫美術館の入口

あわせて楽しみたい周辺スポット

美術館の周辺には、弘前らしい見どころが点在しています。時間があれば、次のスポットとあわせて巡るのがおすすめです。

弘前公園(弘前城):弘前を代表する観光スポットで、春の桜まつりは全国的にも有名です。天守や堀、四季折々の景色が楽しめ、散策だけでも気持ちの良い場所です。

スターバックス コーヒー 弘前公園前店:弘前公園の近くにある、少し変わったスターバックスです。大正6(1917)年築の「旧第八師団長官舎」という国登録有形文化財の建物を活用した店舗で、和洋折衷のレトロな空間でコーヒーを楽しめます。

hirosakistarbucks
スターバックス弘前公園前店|登録有形文化財の洋館と青森限定りんごフラペチーノ・弘前駅からの行き方
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三内丸山遺跡(青森市):弘前から足をのばすなら、青森市の特別史跡「三内丸山遺跡」もおすすめです。縄文時代の集落跡に復元された竪穴建物や大型掘立柱建物が並び、屋内の展示施設もあります。

三内丸山遺跡の全景。大型竪穴建物と大型掘立柱建物が見える
三内丸山遺跡ガイド|見どころ・観覧料・アクセスと無料ガイドツアー
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おわりに

弘前れんが倉庫美術館は、100年の時を重ねた煉瓦倉庫という「建物そのもの」と、現代アートの出会いを楽しめる場所です。力強い版画や奈良美智さんの作品を鑑賞し、ショップとカフェで余韻にひたれます。展示の内容が変わっても、この建物が持つ空気は、訪れるたびに新しい発見をもたらしてくれます。弘前を旅する際は、ぜひ立ち寄ってみてください。